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離婚協議書の書き方(サンプル)と協議すべき事項-大石行政書士事務所


はじめまして。行政書士の大石です。

離婚を前に皆様が作成されるべき「離婚協議書」について、詳しく解説していきます。

親権者、財産分与、慰謝料、年金分割、養育費、公正証書…
難しそうな用語が多く登場して困ってしまいますが、1つ1つわかりやすくご説明していきます。

次の内容を解説していきます。

  1. 離婚協議書の作成に向けた協議内容(記載事項)
  2. 離婚協議書の書き方(見本)
  3. 離婚協議書の各条項の解説
  4. その他、作成時の注意事項

それでは、最後までお付き合いくださいませ。


離婚協議書の記載事項(協議内容)について


離婚協議書の作成について、一般的に夫婦で協議する事項を以下にまとめます。

  • 夫婦が離婚に合意している旨
  • 離婚届を提出する旨
  • 未成年の子の親権者について
  • 財産分与の支払いについて
  • 養育費の支払いについて
  • 慰謝料の支払いについて
  • 子との面会交流について
  • 年金分割について
  • 清算条項について
  • 離婚協議書を公正証書にする旨

離婚協議書の作成に向け、夫婦で話し合う内容はだいたい上記のとおりです。

この時点で難しい言葉が出てきているかもしれませんが、以下に示す見本、そしてその解説の中でしっかりご説明していきます。

離婚協議書の書き方(サンプル)

それでは離婚協議書の見本(サンプル)を以下に示します。下記見本をご夫婦の状況に当てはめて仕上げてみてください。

離婚協議書


(離婚の合意)
第1条
夫山田太郎(以下、「甲」)と妻山田花子(以下、「乙」)は協議の結果、離婚することに合意し、双方で速やかに離婚届を提出することを確認した。
また、離婚に際しての条件として、以下のとおり合意した。

(親権者)
第2条
長男山田一郎(令和〇年〇月〇日生、以下 「丙」)の親権者は乙とする。

(財産分与)
第3条
財産分与として甲は乙に共有財産総額の2分の1にあたる〇〇万円を金銭で支払うものとする。支払い方法は、令和〇年〇月〇日に一括で下記の銀行口座まで振り込み支払うものとする。

〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号×××× 山田花子名義

(養育費)
第4条
甲は令和〇年〇月〇日から丙が成人する日が属する月まで、養育費として毎月〇日までに〇万円を第3条指定の銀行口座に振り込み支払うものとする。

(慰謝料)
第5条
甲は乙に対して慰謝料として〇〇万円を、令和〇年〇月〇日までに第3条指定の銀行口座に一括で振り込み支払うものとする。

(面会交流)
第6条
甲の丙に対する面会交流は、〇ヶ月に〇回として、日時、場所、方法についてはその都度、甲と乙の協議で決めることとする。

(年金分割)
第7条
甲(第一号改定者)と、乙(第二号改定者)は、日本年金機構理事長に対し、対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定の請求をすること、および請求すべき按分割合を0.5とすることに合意した。

甲(平成○年○月○日生)(基礎年金番号 XXXX-XXXXXX)
乙(平成○年○月○日生)(基礎年金番号 XXXX-XXXXXX)

(清算条項)
第8条
甲と乙は、上記の各条項のほか、金銭その他の請求を相互に行わないこと、及び甲乙以外の者が本件合意内容に一切干渉しないことを相互に確認した。

(公正証書)
第9条
以上の決定にもとづいて、強制執行認諾文言付公正証書を作成することを双方で合意した。

本書は2通作成し、双方の署名捺印のうえ、各自1通ずつ保管する。

令和〇年〇月〇日
東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇〇番
山田太郎 
東京都〇〇区〇〇町〇丁目〇〇番
山田花子 


各条項の説明

離婚協議書に記載した各条項について、1つ1つご説明していきます。

協議書の書式、タイトルについて
離婚協議書に決められた書式はありません。用紙のサイズも自由です。長期間保管することを考え、丈夫なA4コピー用紙などを使用すると良いでしょう。
タイトルは「離婚協議書」とするのが一般的です。

夫婦が離婚に合意している旨
離婚協議書ですので、当然離婚の合意が夫婦でできているかを記載します。離婚届を提出する合意についても記載し、手続きがスムーズに進むようにします。
なお、離婚届の提出については、誰が、いつまでに、どの役所に提出するか、などを追加しても良いでしょう。

未成年の子の親権者について
親権とは、未成年の子を保護して育てる親の権利義務です。夫婦の婚姻中は父母ともに親権がありますが、離婚するとどちらか一方の親が親権者となります。親権者を決定しないと離婚はできないので注意が必要です。
離婚協議書には親権者をどちらの親にするかを記載します。なお、親権者と監護者(監護権者)を分ける場合には、その旨も記載します。

「監護者」は子の身の回りの世話をする

親権には身上監護権と財産管理権が含まれます。身上監護権とは子の身の回りの世話や教育を行う権利義務であり、財産管理権は子に代わって子の財産を管理し、契約などの法律行為の代理人となる権利義務です。一般的には親権者がこの2つの権利義務を有するのですが、離婚時に親権者(財産管理する人)と監護者(身の回りの世話をする人)を分けることもできるのです。例として、父親が親権者、母親が監護者になるケースがあります。

財産分与の支払いについて
財産分与とは、結婚してから夫婦が協力して築いてきた財産(共有財産)を分け合うことです。名義人の名前に関係なく、結婚後に取得した夫婦の共有財産のすべてが分与の対象となります。

例えば、現金や預貯金、株や国債などの有価証券、土地・建物などの不動産、ゴルフ会員権、自動車、家財道具、宝石、美術品、骨董品などなど、価値のあるものは全て対象となります。保険金や退職金も対象となり、さらに住宅ローンなどの負債(マイナス財産)も対象となります。
金銭の支払いがある場合には、後でトラブルにならないように、金額、支払い期限(期日)、支払い方法を具体的に定めておきます。

財産分与の手順
財産分与の一般的な流れをおおまかに説明しますと、次のとおりです。

  1. すべての共有財産をリストアップする
  2. 共有財産の総額を計算する(ローンなどの負債は差し引く)
  3. 夫婦で分割割合を話し合う
  4. 分与の方法を決める

ローンなどの負債(マイナスの財産)も共有財産なので、当然に分与の計算に含めます。プラスの財産総額から、マイナスの財産総額を差し引き、残ったプラスの財産を夫婦で分け合う、という流れになります。

次に共有財産の分割割合を決定します。ここは財産形成に至るまでの貢献度に応じて決定するのですが、夫婦で2分の1ずつ分け合うのが一般的です。

最後に分割の方法を決めます。現金や預貯金はそのまま分ければよいですが、不動産や株などは現物で分けるのか、換金して分けるのか、話し合いで決定します。

養育費の支払いについて
養育費とは、子の衣食住、教育や医療、娯楽などに必要となる費用です。親には子に対する扶養義務があるので、例え子と別居することになっても、収入が多い側の親は子に対して養育費を負担する必要があります。

大切なこととして、養育費の金額、いつまで支払うか(支払い期間)、支払い方法について具体的に記載しておきます。支払い期間としては、子が大学卒業するまで、成人するまで、というケースが一般的かと思います。

養育費の金額に法的な規定はありません。夫婦が話し合い、合意できれば決定となります。ただし、養育費算定の基準となるデータは存在します(養育費の算定表を参照)。

慰謝料の支払いについて
慰謝料とは、相手の行為、例えば不倫、浮気、暴力などによって受けた精神的、肉体的苦痛に対する損害賠償金のことをいいます。
慰謝料の支払いについて合意ができているのであれば、金額、支払い時期、支払い方法などを具体的に記載しておきます。

なお、慰謝料の支払いは現金一括払いが原則ですが、分割払いや現物払い(不動産、株など)にする場合には夫婦で合意して、その旨を協議書に記載します。

子との面会交流について
離婚して子と別居することになった親も子と面会する権利があります。そのため、離婚する際には別居する親と子の面会交流についても定める必要があります。この定めが曖昧だと後でトラブルになるケースが多いので、より具体的にルールを決めておきます。

面会交流に関する取り決め事項の代表例として、以下に示します。

  • 面会交流の頻度、日時、時間
  • 子の送り迎えの方法
  • 面会交流時の子との宿泊、旅行の可否
  • 子にプレゼントを贈る場合の条件
  • 行事(入学式、卒業式など)への参加の可否
  • 子との電話、メールの可否
  • その他、子の成長や状況に応じて、取り決めを協議できる旨

後はご家庭、ご夫婦の個々の状況に応じて、適宜追加していくと良いでしょう。

なお、子の成長や家庭環境の変化により、当初定めたルールでは対応できなくなるケースもあります。夫婦の協議で柔軟に対応できる旨、定めておくのも効果的です。

年金分割について
合意分割と言って、夫婦双方の合意により、婚姻期間中の厚生年金における標準報酬(受給額算定の基準となる月給・賞与の額)を分割できる制度が存在します。

例えば、夫婦の収入(標準報酬額)に格差があり、離婚後に一方が受給できる年金額が低くなるようなケースでは、その者の生活困窮が予想されます。これを防ぐ目的で、標準報酬が多い側から少ない側へ、標準報酬の差額を分割して与える制度です。

分割の割合は夫婦で話し合い、最大2分の1までの範囲内で決めます。

この年金分割の割合を決定するにあたり、まずは「年金分割のための情報通知書」を入手します。この通知書には、按分割合(標準報酬総額に対する受け取る側の持分)の上限(50%)と下限が記載されています。分割割合はこの範囲内で決定します。
具体的には、年金分割のための情報提供請求書に必要書類を添えて、お近くの年金事務所に提出します。手続きの詳細は日本年金機構のパンフレットが参考になります。

合意事項は離婚協議書に見本のとおり記載すればよいです。必要に応じて数字を変えてください。年金手帳を確認し、基礎年金番号を間違えないように記載しましょう。

なお、実際に分割した年金を将来受け取るためには、年金事務所に申請を行う必要があります。年金分割の詳細、申請方法については、日本年金機構のパンフレットが参考になります。

上記パンフレットにも説明がありますが、年金分割には「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。離婚協議書に取り決めとして記載するのは、夫婦の合意が必要となる合意分割のみです。何故なら、3号分割は夫婦の合意は不要であり、条件さえ満たせば申請により当然に分割されるからです。

下図は、上記パンフレットから引用した年金分割のイメージ図です。

年金分割のイメージ


上図は、「保険料納付記録(標準報酬)」の多い側から少ない側へ分割した差額分を提供しているのがわかりますね。

離婚協議書の見本に登場した「第一号改定者」「第二号改定者」についてご説明します。
対象期間の標準報酬総額が多い方を「第一号改定者」といい、相手側に標準報酬を分割する側になります。一方、この額の少ない方を「第二号改定者」といい、相手方から標準報酬の分割を受ける側となります。


清算条項について
離婚協議書に記載する項目以外に、夫婦の間に何らの請求権も存在しないことを確認する取り決めです。協議書に挙げた内容以外で離婚後に新たな争いが生じないようにする意味合いがあります。

離婚協議書を公正証書にする旨
公正証書とは、法律の専門家である公証人に作成してもらう公文書です。公文書であるため、高い証明力を有しており、安全性、信頼性に優れます。

離婚協議書に「強制執行認諾文言付公正証書」を作成する旨を記載し、その通り公正証書にしておくことで、別途公証役場で離婚協議書を公正証書にする手間はかかりますが、養育費や財産分与などの金銭支払いが滞ったときに、裁判なしで強制執行が可能となります。つまり、強制執行として相手の給与や口座を差し押さえることが可能となるのです。

状況に応じて離婚協議書への追加を検討すべき事項


離婚協議書に記載する代表的な記述は上でご紹介した見本のとおりですが、ご家庭やご夫婦の個別の事情に合わせて、次のような項目も条項として追加しておくのも良いでしょう。

  • 特別の費用(病気や怪我に起因する出費など)について
  • 生命保険金の受取人変更について
  • 学資保険の契約者、受取人変更について
  • 居住建物の扱いについて
  • 連絡先の通知について

上記について、簡単にご説明しておきます。

特別の費用(病気や怪我に起因する出費など)について

通常の養育費以外にも、例えば子が病気や怪我をしたことで、監護する者が特別の費用を出費したときには、別居する親に費用の負担を請求する等を定めることも考えられます。

生命保険金の受取人変更について

婚姻期間中に夫婦の一方が生命保険契約を結んでおり、配偶者が受取人となることはよくあります。離婚を機に受取人を配偶者から子に変更するなどの場合には、その旨を定めておくと良いです。

学資保険の契約者、受取人変更について

婚姻中、子のために学資保険に加入していて、夫婦の一方が契約者及び受取人となっているようなケースがあります。離婚後は子の監護をする親に契約者及び受取人名義を変更する場合には、その旨を記載しておきます。

不動産の扱いについて

建物や土地などの不動産の処分について、夫婦で話し合うかと思います。換金して夫婦で分け合うのか、夫婦のどちらか一方が住み続けるのか、などです。住み続けるなら、住宅ローンの残額は誰が支払うか、固定資産税などの税金は誰が負担するのか、といった取り決めをしておくのも良いでしょう。

連絡先の通知について

養育費や面会交流など長期にわたる取り決めをしている場合、離婚した後も定期的に連絡を取り合う必要はあります。とはいえ長期にわたるため、住所や連絡先が変更になることも考えられます。
連絡が途絶えてしまうことがないように、住所や連絡先を変更したときはその旨相手に通知することなども取り決めておくと良いでしょう。

注意事項


最後に離婚協議書全体を通しての注意事項をいくつかご紹介します。

離婚協議書には日付と住所氏名を記載する

離婚協議書の文末には、日付(年月日)と夫婦の住所氏名を自書し、押印します。

離婚協議書は2通作成し、自分と相手で1通ずつ保管する

離婚協議書中の文言にもありますが、離婚協議書は同一のものを2通作成し、相手と自分で1通ずつ保管します。どちらの証書にもそれぞれが署名捺印をします。
なお、自分と相手それぞれが保管する協議書には、割印を忘れずしておきます。2通の協議書が同一の証書であることを証明するためです。

複数枚になったら契印する

離婚協議書が複数枚になった場合には、ホチキス等でとめ、前ページと後ページが重なるようにして契印をします。

まとめ

離婚協議書の見本と、各条項の解説をしてきました。離婚する前に口約束だけで終わらせてしまうと、離婚後に時間がたち、「そんなことは言っていない」と対応される危険があります。口約束だけで終わらせず、必ず離婚協議書として形に残しておきましょう。

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